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日本球界のエース獲りへ、ヤ軍が最終検討段階に入った。バックネット裏の最前列に陣取り、ダルビッシュが投じる一球一球に熱視線を送った。ヤ軍のエプラー・プロスカウト部長とオッペンハイマー球団副社長は前日に極秘来日。この日の視察後、エプラー部長は「球団のポリシーなので何も話せない」と語るにとどまったが、あるメジャー関係者は「彼らはキャッシュマンGMのいわば右腕で、選手の評価に関しては全幅の信頼を置かれている。2人がそろって日本に行くのは極めて異例で、ヤンキースにとって最重要事項であることを意味する」と証言した。「最重要事項」とは、ダルビッシュ獲得に向けた調査であることは明白だ。今回来日したのは、国際担当ではなく、本来は米国内の選手を管轄するプロ部門とアマチュア部門のトップ2人。ヤ軍は今年3月27日のロッテ戦(千葉マリン)などこれまでも複数のスカウトがダルビッシュの登板試合を視察しており、報告を受けた球団が最終チェックの目的で両氏を派遣したとみられる。エプラー氏は35歳と若いが、ヤ軍のFAやトレード戦略の中心を担っている。ヤ軍は08年オフに総額約400億円を投じ、主砲ティシェイラとサバシア、バーネットの両投手を獲得し、09年の世界一につなげたが、この3選手獲得を進言したのが、同氏といわれている。もう一人のオッペンハイマー氏はドラフトの総責任者で、これまでもチェンバレンら有望なアマチュア選手を次々に獲得している敏腕だ。ヤ軍はこれまで伊良部、松井秀、井川らの日本人選手を獲得してきたが、長期にわたって活躍したのは松井だけ。06年オフには同じくポスティングでのメジャー移籍を表明した松坂の獲得にも動いたが、ライバル球団のレッドソックスに奪われた。このため近年は国際部門をより強化し、スカウトシステムを改革している。ダルビッシュがポスティング・システムによるメジャー挑戦を宣言した場合、ヤ軍以外にもマリナーズ、レンジャーズなどが獲得に動くのは確実だ。大リーグ関係者はダルビッシュの入札額について「松坂の金額は非現実的だが、3000万(約25億5000万円)~4000万ドル(約34億円)ぐらいいくのでは」と予想。高額のため争奪戦に参戦するのは5球団前後とみられているが、その中でも圧倒的な資金力を誇るヤ軍だけに今後の動向が注目される。
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